INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW vol.04
音楽プロデューサー

松任谷 正隆

matsu03

「日本の品質」=「愛情」

物に愛情なんて宿るわけではないんだけれども、使う人が愛情を感じれば、それは愛情だと思うんですよね。
縫製のひとつひとつ、ほんのちょっとしたところのこだわりとか熱意、それって何にでも感じる場合があるわけで、そういうところから本物を感じますよね。日本の物は、こだわってこだわって作っていたりするから。本当に細かい作業がきちんとできているから、すごく出来が良いじゃないですか。
そして、材料自体が進歩している。作るときには当然、コストのことを考えながら作るわけで、リーズナブルな価格で出さなければいけない、でも良い材料を使いたいという両者がせめぎあっていて、どこに重点を置くかという中で物を作っている。

「日本の品質」=「独自の発想」

「日本の丁寧さ」と「材料のグレードアップ」、その両者のフォーカスが合ってきたってことなんだと思うんです。
あとは、ノウハウが溜まってきたんじゃないのかな。いろいろな技術を輸入し、こちらからも技術を輸出し、そのやりとりのあいだに積み重ねていった結果という感じがします。知らない間にこんなに成長してたんだ、っていうぐらい成長している。世界に誇れるなっていう感じがありますね。
僕の世代は、戦後政策の影響もあって、子どもの頃からとにかく「アメリカのもの命」という感性になっているわけです。日本の物を身に付けるってことが、僕の中では川を飛び越えるぐらい勇気がいることだった。それなのに、その川に10年20年かけて少しずつ橋が架けられていて、あれっという間に日本のものを身に付けるようになっていた。海外にはない発想をもつ日本のものに、徐々に心をつかまれていました。
得てして日本の物は小さくまとまっていると思われがちだけど、僕はそうではないと思う。発想がダイナミックで、決して小さな世界に入り込むようなものではないと思いますね。

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